これを読めば全て解決!ワインの種類・産地の基礎知識
ワインは主に4種類
ワイン、とひと言でいっても、実はさまざまな種類があります。ワインを学んでいくためには、まずこの“ワインの種類”について知っておくことが必要になるので、必ず覚えておきましょう。
スティルワイン
普段、私たちが楽しんでいる赤・白・ロゼなどのワインの多くが、このスティルワインです。
スティルは、“静か”というような意味で、要するに発泡していないワインをさしています。
ワインの中には、製造工程の関係で仕上がったものがちょっとだけ発泡しているものもありますが、ガス圧がワイン法で満たされていない数値だとスティルワインになります。
スティルワインと耳にしたり、目にしたりしたら、「いつも飲んでいる、一般的なワインのことだな」と、覚えておけば良いでしょう。
スパークリングワイン
スパークリングワインは、読んで字の如く発泡性のワインを指しています。スパークリングワインを造るための製法は数種類がありますが、ワイン法で制定されたガスの気圧数値であるものがそれに当たります。
シャンパーニュやカバ、フランチャコルタなどはスパークリングワインではありますが、その地域で定められている製法に則って造られた、いわば『特別な名称』のようなものです。
世界中、その地域で造られた名称を名乗っていますが、カテゴリ的にはスパークリングワインに包括されている、と考えてよいでしょう。
フォーティファイドワイン
フォーティファイドワイン、というとわかりにくいかもしれませんが、日本語では「酒精強化ワイン」と呼ばれています。
酒精強化というのは、ワインの製造中に蒸留酒などを添加し、アルコール度数を高めて造られたワインを指しています。
赤ワイン、白ワイン問わず存在しており、日本のレストランなどでも気軽に楽しむことができます。酒精強化ワインには、「世界四大酒精強化ワイン」と呼ばれているものがあり、スペインのシェリー、ポルトガルのポートワインとマディラ、イタリアのマルサラがそれに当たります。
多くは、マルサラを除いた三大酒精強化ワインで通っていることが多いですが、四大で覚えておいた方がワインライフは充実したものになるでしょう。
フレーバードワイン
フレーバードワインは、ワインをベースに果実や薬草などの浸出液、蒸留酒などを加えて造られたワインのことを言います。一般的なワインとは違い、さまざまな味わい、風味を作り出せるため、カジュアルなシーンなどで良く飲まれている親しみやすいワインです。
混成ワイン、香味付けワインなどとも呼ばれているように、ワインに柑橘やハチミツ、ハーブの香りや味わいがプラスされており、パーティーの食前酒などには最適です。有名どころでいうと、リレやスペインのベルモット、果物をワインにつけ込んだサングリアなどでしょう。
ワイン初心者やワインが苦手、ワインを飲み馴れていない、という方の入口には最適なワインですので、楽しみながら飲んでいただければ、と思います。
ワインの主な生産国と産地
ワインを知るためには、まず主要な生産国と産地を知っておくところからです。これを知れば、ワインを選ぶ楽しさ、さらに選ぶ選択肢が増えます。
①フランス
ワイン大国、フランス。世界中のワインが、このフランスのワインをベースに考えられているといっても過言ではない、ハイクオリティのブランドワインを造る生産国です。
特に有名なのが、大西洋に面するボルドー地方と内陸部に位置するブルゴーニュ、世界中のワインファンが憧れる北部シャンパーニュの3つです。
ボルドーはカベルネソーヴィニョンやメルロを主体としたブレンド赤ワイン、ブルゴーニュやシャルドネを使ったリッチな白ワイン、ピノ・ノワールを使ったエレガントな赤ワイン、シャンパーニュは瓶内二次発酵と呼ばれる伝統製法で自然の力を利用した発泡性ワインなどが造られています。
AOCといった原産地を保護する法律で守られているため、これらの名がついたワインであれば、その地域で造られているワインの証明となります。初心者でも、安心して購入することができるでしょう。
②イタリア
南北に長いイタリアは、全土でワインが造られているワイン大国です。
北部ピエモンテ州のネッビオーロという高級黒ブドウ品種を使った、バローロ、バルバレスコというワインが特に有名で、シャンパーニュ同様の製法で造られたフランチャコルタというスパークリングワインも近年、話題になっています。
中部はトスカーナ地方が中心の生産地で、サンジョベーゼを使った赤ワイン「キャンティ」が特に有名です。
南部は、高級ワインは少ないのですが、アリアニコという品種を使った赤ワインや酒精強化ワインなど、注目すべきワインが多く存在しています。カベルネ・ソーヴィニョンを利用した、珍しいボルドーブレンドのワインをつくる中部「ボルゲリ」という場所のワインは、スーパータスカンなどと呼ばれ、新しいイタリアワインの可能性を世界にアピールしています。
伝統国でありながら、革新を続けている注目の産地がイタリアなのです。
③スペイン
古くからワイン生産が盛んな生産国、スペイン。イタリア同様、こちらも全土でワインが造られていますが、特に有名なのはリオハ、リベラ・デル・ドゥエロです。
高品質でありながら、数百円台というデイリーワインが多く造られる国ですが、上記の産地ではテンプラリーニョを使った高級赤ワインや国際品種を使うモダンなワインで有名です。
また、ペネデスという産地を中心に製造されている、シャンパーニュと同様の製法で造られるスパークリングワイン「CAVA」も有名。
日本でも、比較的カジュアルな価格で美味しいスパークリングワインと認識されており、世界中で人気のあるワインです。南側ではシェリーなども造られているなど、古くからワイン文化が盛んな生産国です。
もちろん、これらの生産国内にもまだまだ魅力的な産地はありますし、他国にもたくさん紹介したいワイン産地は多く存在しています。
まず、基本を押さえていただき、終わること無いワインの世界旅行を楽しんでいきましょう。